シングルマザーを採用し建築職人に育てる
匠創建では、2人の子供を抱え子育て中のシングルマザー1名を採用しました。事務職ではなく、建築職人として育成するための採用です。
この女性は、2人の子供を抱えた生活を維持するための収入が必要であり、一方で、子供の突発的な発熱など病気に対応するため柔軟に働ける業務体制も求められます。
今の社会を見渡した時、特別な能力がない限り、子育てしながら安定した収入が得られる仕事を求めるのは難しい現実があります。
匠創建は、建築業界の課題である人手不足を解決するための手段として、さらには女性の社会進出、雇用機会均等の一翼を担う試みとして、シングルマザーを採用して建築職人に育成することを目指すことにしました。
まず柔軟な働き方はどうすればできるか？ということですが、我々の仕事は、一定の工期のもとで仕事を行いますから、作業時間のやりくりと生産性を上げる仕組みさえできれば、急な休み、急な退社や急な遅刻にも対応が可能です。
匠創建はすでに44名の建築職人が社員として在籍しているので、人員配分がしやすい環境が整っています。
採用した女性の二人の子供は軽度な障害を抱えており、スクールバスでの送迎となることから、仕事の開始時間は一時間遅れの出社、お迎え時間の関係から作業終了時間も30分早く終わってもいいという条件で雇用しています。
そういう配慮をすることで、第一段階の問題をクリアし柔軟に働きながら時間の確保ができました。
また職人は技能者ですから、毎日少しずつでも技能を身に付けていくことができます。1時間作業をしたら、1時間作業をした分の技能が身体に残っているわけです。
そうであれば、最初は短い時間の作業であっても、経験した年月を重ねていくことで、技能や技術が積み上がります。
つまり、時短労働であっても、作業の経験が技能を徐々に高めるのです。
子供が成長するにつれ、教育にかかる費用も増えていきます。そのためにも、収入が上がっていく職業は重要です。
子供が小さいときは時短なので収入は多くはありませんが、生活できるレベルの収入を確保する。子供が高校や大学に行くころには、経験と技能の積み重ねによって、進学が可能な収入を得ることができるようになる。それが、当社が描く将来像です。
そんなことから、シングルマザーに建築職人になってもらうことは、職員にとっても弊社にとっても社会にとっても多くの問題を解消する有意義で質の高い取組である私たちは考えました。
女性向きで無理なくできる作業は多い
採用して配属されたのは内装班で、室内の壁にパテを塗る仕事をしています。作業の合間を見て、丸ノコを使って床のフロアを貼る練習をしてもらう予定です。
繰り返し同じ仕事をすることで作業スピードが上がり、戦力として活躍できるようになると本人の充実感につながり、仕事が楽しくなると思います。
内装工事の一環で、床・壁・天井の仕上げ工事が出来るようになれば、男性は天井、女性は床というように、身体的な違いにあわせて無理なく仕事ができます。
まずは1人のシングルマザーの採用ですが、試行錯誤をしながらどのような育成方法がいいか経験を積み上げ、次のシングルマザーの採用に結びつけていきたいと考えています。
シングルマザーで立派に子育てをして、その子が建築職人を目指す循環ができれば最高ですね。もちろん、独身女性や職人を目指す女性も歓迎です。
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