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「見た目だけのリフォーム」では危険? 匠創建・阿部社長が語る、本当に大切な断熱・気密・耐震の話

中古住宅価格の高騰や新築費用の上昇により、最近では「中古住宅を購入してリフォームする」という選択肢が、帯広・十勝でも一般的になってきました。

一方で、見た目だけを綺麗にした“なんとなくおしゃれなリフォーム”も増えています。

今回の対談では、匠創建・阿部社長に、「プロに任せる本当の価値」について詳しくお話を伺いました。

DIYやセルフリノベーションが増える時代

品田:
最近、不動産投資やDIYリフォームを始める方も増えていますよね。

実際に自分で中古住宅を購入して直しながら活用する、という話を聞く機会も多くなりました。

そういう時代だからこそ、逆に「プロに任せる意味」って何なんだろうと感じることがあるんです。

プロに任せる最大のメリットは「時間」

阿部社長:
まず一つは、「時間」ですね。

例えば、自分たちで物置を作ることも不可能ではありません。
図面を書いて、材料を加工して、組み立てることもできる。

でも実際には、既製品を購入して、組み立ても依頼しています。

なぜかというと、「時間を買っている」からなんです。

“自分でやるコスト”は、お金だけではない

阿部社長:
DIYが好きで、時間そのものを楽しめる方なら、それはすごく良いことなんです。

ただ、仕事や家庭がある中で、自分の時間を大量に使うというのは、実は大きなコストでもあります。

例えば、

・本来の仕事で収入を得る
・家族との時間を使う
・自分の学びに時間を使う

そういう時間を削って工事をすることになる。

だから、「自分でやる方が安い」と単純には言えないんですよね。

本当に大切なのは「仕上がりの中身」
見た目は綺麗。でも、本当に快適?

品田:
ただ、私が取材をしていて感じるのは、時間以上に「仕上がりの差」が大きい気がしています。

特に、断熱や気密の話は、普通の人はなかなか分からないですよね。

リフォーム業界でも、実は知識差が大きいのではと、今までの取材で感じております。

阿部社長:
そうなんです。

実は、建築業者の中でも、断熱や気密について本当に理解している会社は、決して多くありません。

私たちは「新住協(新木造住宅技術研究協議会)」という団体の考え方をベースにしています。

これは北海道発祥の技術研究団体で、高断熱・高気密住宅を長年研究してきた組織です。

日本の木造住宅を変えた「新住協」

阿部社長:
新住協を代表されていたのが、元室蘭工業大学の鎌田先生です。

鎌田先生は、日本の木造住宅における断熱・気密技術を、研究レベルから実際の住宅づくりへ広げた第一人者なんです。

そして、その理論を本当に理解して施工できている会社は、実際にはかなり少ない。

特にリフォームでは、その差が非常に大きく出ます。

「表面だけ綺麗」は簡単。でも性能改善は難しい
キッチンは新品。でも家は寒い

阿部社長:
リフォームって、表面だけなら簡単なんです。

・キッチンを新しくする
・お風呂を交換する
・クロスを貼り替える

これは見ればすぐ分かります。

でも、

・断熱改修
・気密改修
・耐震改修

こういう部分は、完成後に見えません。

だから、知らないと判断できないんです。

暮らして初めて「失敗」に気づく

阿部社長:
怖いのは、住み始めてからです。

例えば、

・脱衣所が寒い
・暖房費が異常に高い
・床だけ冷たい
・家の中で温度差が大きい

こういう問題は、暮らして初めて分かります。

「暖かい家」は断熱材だけでは作れない
最大の敵は「隙間風」

品田:
前回も「気密」の話がありましたが、やはりそこが重要なんですね。

阿部社長:
はい。よく「断熱材を入れれば暖かい」と思われますが、実際には違います。

問題は「隙間風」です。

どれだけ良い断熱材を入れても、家の中を空気が自由に動いていたら、暖かさは逃げてしまう。

そして問題は、隙間があるかどうかは見えないということ。水が漏れる隙間は空気も漏れるからです。

例えば、板と板を張り合わせて、隙間が無いように木の升を作っても多くの場合水は漏れてしまいます。

気密はこれと同じで、水が出来るだけ漏れないように造る必要があるのです。

そして、隙間があるかどうかは「気密測定」をすることでわかります。

気密測定する機械があり、その機械で想定すると気密の状態が数値で判定できます。

目安は、リフォームの場合では最低2.0c㎡/㎡以下、1.0c㎡/㎡だと素晴らしいし、

0.5c㎡/㎡ 以下だと高性能な新築住宅レベルです

気密性能2.0c㎡/㎡ というのは、建物の床面積1㎡当たり、2㎠の穴が開いているということです。

「気流止め」ができる業者は意外と少ない

阿部社長:
古い住宅は、床下や壁の中を空気が通る構造になっている場合が多いんです。

それを止める施工を「気流止め」と言います。

これが本当に大事なんですが、実は建築業者でも知らない人がいる。

「気流止めしてください」と言っても、「何ですか?」となることがあるくらいです。

中途半端な断熱は、逆に家を傷める

阿部社長:
さらに怖いのは、中途半端な断熱改修です。

正しい知識がないまま断熱材だけを入れると、壁の中で結露が発生します。

これを「内部結露」と言います。

内部結露が起きると、木材が腐ってしまう。

つまり、見た目は綺麗でも、家の寿命を縮めてしまうケースがあるんです。

「体感温度」は温度計だけでは決まらない
同じ20℃でも「寒い家」と「暖かい家」がある

阿部社長:
例えば、冬の室温20℃って、寒く感じることありますよね。

でも夏の20℃は暖かく感じる。

これは「体感温度」の違いなんです。

床と天井の温度差が、快適性を左右する

阿部社長:
暖かい家というのは、空間全体の温度差が少ない家です。

逆に性能の低い住宅は、

・床は冷たい
・天井付近だけ暑い

こういう状態になりやすい。

床と天井で5℃以上差が出ることも珍しくありません。

そうすると、人は寒く感じるから、さらに暖房を強くする。

結果として、灯油代や電気代がどんどん上がっていくんです。

中古住宅選びで見るべきポイント
「暖かいですよ」ではなく、根拠を聞く

品田:
一般の方は、どうやって見分ければいいんでしょう?

阿部社長:
まずは、業者さんに具体的に聞くことです。

例えば、

・どんな断熱改修をしたのか
・気密工事をしているのか
・工事写真はあるか
・耐震補強はしているか

そういう裏付けを確認することが大切です。

“安いリフォーム物件”には理由がある

阿部社長:
極端な話、安いリフォーム物件の多くは、表面だけ綺麗にしているケースもあります。

もちろん全部ではありません。

でも、本当に断熱・気密・耐震までしっかりやれば、そこまで安くはできないんです。

だからこそ、「見た目」だけではなく、中身を見ることが重要なんですね。

快適性は、毎日の人生を変える

阿部社長:
断熱や気密って、派手ではありません。

でも、毎日の暮らしを大きく左右します。

暖かさ、静かさ、光熱費、健康、ストレス。

それは、実際に住んで初めて分かる部分です。

だから私たちは、「表面だけ綺麗にするリフォーム」ではなく、長く快適に暮らせる家づくりを大切にしています。


最近の中古住宅は、2千万円以上する場合が多くなってきました。

その場合、先ほども書いたように「気密測定」の有無を確認しましょう。

これは絶対です。もし、していない時は、完成してから行う測定なので必ずしてもらうようにしてください。

一生に一番高い買い物ですから、慎重の上にも慎重にして、悔いのない買い物にしてほしいですね。

写真は機密性にもこだわった物件です(一例です)

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