ホーム創建(匠創建)の歴史②
ホーム創建の歴史をたどります
来年、30周年を迎えるホーム創建。
その歩みを振り返るシリーズの第2回です。
前回は、阿部社長が大学を卒業してから建築の仕事に入り、さまざまな経験を重ねながら「自分で住宅をつくりたい」と考えるようになり、平成9年の創業に至るまでのお話を伺いました。
今回は、創業したばかりのホーム創建が、どのようにスタートしたのか。創業1年目から2年目にかけてのお話です。
今回も、阿部社長ご本人に当時を振り返っていただきました。
本文は、阿部社長にお話しいただいた内容をもとに構成しています。「創業した」「仕事をした」などの表現は、阿部社長ご本人の視点で語られているものとしてお読みください。
それでは、ホーム創建の創業期の物語をお楽しみください。
ホクセイハウスを退職し、独立を決めました。
12月30日には、ホクセイハウスで送別会を開いてくれました。家族全員を招待してくれて、温泉旅館で送別会をしてくれたんです。
会社を辞めるとはいっても、決して関係が悪くなったわけではありません。
むしろ、10年間お世話になり、会社を譲るという話までしてくれた。本当に良くしてもらいました。
だからこそ、年が明けてから、これまでのことをゆっくり振り返りました。
「なぜ自分は会社を辞めて、独立しようとしているんだろう」
そう自分自身に問いかけながら考えていくと、いくつかの理由が浮かんできました。
その一つが、お客様への対応について、当時のホクセイハウスの社長と、少しずつ考え方の違いが出てきたことでした。
建てた後こそ、お客様と向き合いたい
家を建てた後には、アフターメンテナンスや、暮らし始めてから分かる不具合などへの対応があります。
当時の小さな工務店では、日々の現場を進めながら、こうした対応にも取り組んでいかなければなりませんでした。
現場を進めることも、会社を継続していくためには大切な仕事です。
一方で、お客様からご相談をいただいたときには、できるだけ早く対応したい。
その両方を、限られた人数や体制の中でどう両立するか。
これは、当時の住宅業界が抱えていた課題の一つだったのだと思います。
住宅は、何もないところから、お客様と打ち合わせを重ねて、一つの形につくり上げていくものです。
だからこそ、完成して実際に暮らし始めてみると、
「思っていたものと少し違った」
「実際に住んでみて、気になるところが出てきた」
ということもあります。
そうしたときに、きちんと対応できる体制を会社として持っていることが大切なんじゃないか。
私は、そう考えるようになりました。
会社に余裕があれば、アフターメンテナンスを担当する人を置いて、お客様のところへすぐに伺うこともできます。
けれども、当時は、そうした体制を整えること自体が簡単ではありませんでした。
「お客様のために対応したい」という気持ちがあっても、会社の規模や経営状況によって、できることには限りがある。
そういう現実もあったのだと思います。
それでも私は、
「高いお金を出して家を建ててもらったのだから、暮らし始めてからも安心して相談してもらえる会社でありたい」
と思いました。
営業担当者が「クレーム処理をする」のではなく、会社として「クレーム処理をする、お客様の家を守る」
そんな会社にしたいと思ったんです。
家を建てて終わりではなく、家族とのお付き合いを続ける
それには、私自身のこれまでのお客様との関係も大きく影響していました。
ホクセイハウスに勤めていた頃、私が担当して家を建てていただいたお客様とは、家が完成したらそれで終わり、という関係ではありませんでした。
一緒に食事をしたり、家族ぐるみでお付き合いしたりするお客様もたくさんいました。
家を建てていただいたことをきっかけに、人として長くお付き合いしていく。
そんな関係が自然にできていたんです。
だからこそ、独立するのであれば、これからもお客様とずっとお付き合いしていきたい。
建てた家を、ずっと守っていきたい。
そんな会社をつくりたいと思いました。
そして、考えを突き詰めていくと、会社として目指すものが見えてきました。
まず、お客様には幸せに暮らしてほしい。
建てた家で家族が仲良く暮らし、
「いい家を建ててもらったな」
と思ってもらえる。
そんな暮らしをしてほしい。
一方で、お客様の家をずっと守っていくためには、会社そのものが長く続いていかなければなりません。
会社が存続してこそ、お客様の家を守り続けることができる。
だからこそ、会社としてきちんと利益を上げ、財務体質を強くし、永続できる会社にしなければならない。
お客様の幸せづくりと、自分たちの会社が長く続いていくことは、つながっている。
その考えから生まれたのが、創業時から大切にしている理念、
「建築創造は幸福創造なり」
でした。
この言葉が生まれたのは、平成9年の1月初め、1日から3日頃だったと思います。
そのときに自分で原稿用紙に理念を書きました。
今でも、その原稿は残っています。
当時は、立派なものをつくるお金もありませんでたし、字もへたくそでしたから、
パソコンで筆文字風のフォントでプリントし、
文具店で買ってきた自分で簡単に印鑑を作れるもので、角印を作り、押印を添えて額に入れました。
そして、それを神棚の横に掲げました。
2月27日の創業の日には、神主さんに来ていただき、ホクセイハウスの社長ご夫妻、私たち夫婦、そして研修仲間にも来てもらって、お祓いをしてからスタートしました。
「お客様の家を代々守る」
その思いを、創業の日に掲げたのです。
ワンルームから始まったホーム創建
創業当時、ホーム創建には立派な事務所などありませんでした。
たまたま自分が持っていたアパートの一室が空いていたので、その9畳ほどのワンルームを事務所にしました。
家賃はかかりません。
そこから、私と妻の二人でスタートしました。
ありがたいことに、最初の仕事はすでに決まっていました。
創業1棟目は稲田の山口様の家でした。私の友人の両親です。
当時70歳に手が届く位の年齢だったため、既に他界されておりますが、本当によくしていただきました。
また、その後もホクセイハウス時代に担当したお客様からのご紹介などがあり、
創業した年は住宅業界が不況の真っ只中でありながら無難にスタートできました。
最初の住宅を建てながら、協力業者の方から、ある女性を紹介してもらいました。
その方は、それまで私も知っている会社に勤めていた方でした。
ご縁があってホーム創建に来てもらうことになり、最初の社員として加わってくれました。
消費税増税の年に創業
ホーム創建が創業した平成9年は、消費税が3%から5%へ引き上げられた年でもありました。
消費税が上がることを見越して、その1~2年前から住宅を建てる動きが活発になり、建設ラッシュのような状況がありました。
その反動もあり、消費税が5%になった平成9年は、住宅の着工数が業界全体で4割ほど落ち込みました。
住宅業界にとっては、非常に厳しい環境の中での創業だったんです。
そんな状況の中で、創業したばかりのホーム創建には仕事がありました。
先程書いたように、ホクセイハウス時代のお客様が、
「新しく始めた阿部を応援しよう」
という気持ちで、仕事を紹介してくださったからです。
それまでの仕事を通じて築いてきたご縁が、創業したばかりの私たちを支えてくれました。
職人さんや協力業者の方々も、まだ実績のないホーム創建と取引をしてくれました。
初年度は、新築住宅4棟と、新築店舗1棟。
業界全体が厳しい環境にある中で、創業したばかりのホーム創建としては、非常に順調なスタートだったと思います。
最初の頃は、自分で基礎工事もした。
創業した頃は、私自身が基礎工事をしていました。
もともと職人ではありませんから、基礎工事の型枠職人のような技能ががあったわけではありません。
それでも、自分で考えて、実際に現場でつくっていました。
基礎工事というのは、普通にやれば重たいものを扱い、汚れるし、大変疲れる仕事です。
私は、そういう仕事があまり好きではなかった(笑)。
「何とかもっと楽にできないだろうか」
そう考えて、軽い断熱材を使った基礎のつくり方を考えました。
そして実際に、その方法で基礎をつくり、特許の出願までしたんです。
ただ、調べていくと、特許を取得するためには、すでに出願されている別の特許との関係を整理しなければならないことが分かりました。
そのためには費用もかかる。
「これでお金儲けをするつもりではないから、そこまでしなくてもいい」
と考え、最終的には特許取得を取り下げました。
ただ、その基礎の考え方は、その後もホーム創建の家づくりに生かされています。
コンクリートは、一般的には長い年月の中で劣化していきます。
この方法では、コンクリートを断熱材で内側も外側も覆うことで、コンクリートが外気に触れにくい状態をつくり、劣化を抑えるからです。
創業当初から、住宅の性能を高めるために、自分で考え、試し、現場で形にする。
そんな姿勢は、この頃からすでに始まっていました。
支えてくれた、お客様と仲間たち
創業2年目も、順調に仕事をすることができました。
その背景には、やはりホクセイハウス時代からのお客様の存在がありました。
住宅を建てる人が少ない時期でも、
「阿部さんが独立するなら、お願いしたい」
「知り合いに家を建てたい人がいるから、阿部さんに頼んだらいい」
と紹介してくださる方がいました。
これは、ホクセイハウスを離れたいという理由だけではありません。
私がホクセイハウスに勤めていた頃から、お客様と家族ぐるみで付き合ってきた。
その関係が、独立後も続いていったということです。
お客様にとっては、会社の名前だけではなく、そこで家づくりを担当した私との信頼関係も、
大きな意味を持っていたのだと思います。
そして、その信頼関係が、独立後のホーム創建を支えてくれました。
建てることだけでなく、建てた後まで
家づくりに携わる中で、私は改めて、「建てた後」の大切さを感じるようになりました。
建物を完成させることはもちろん大切です。
でも、お客様にとっては、家が完成してからが本当の暮らしのスタートです。
長く暮らしていれば、メンテナンスが必要になることもありますし、住んでみて初めて気づくこともあります。
だからこそ、建てて終わりではなく、その後も気軽に相談していただける関係をつくっていきたい。
これは、創業時から私が大切にしてきたことです。
住宅会社にとって、建てた後の対応は、日々の仕事と両立しながら取り組んでいく必要があります。
だからこそ、会社としてきちんと体制を整え、お客様との関係を長く続けていける経営をしていく。
それが、お客様の家を代々守っていくことにつながるのだと思っています。
創業3年目。
ここで、ホーム創建にとって大きな転機が訪れます。
続きはまた次回の投稿をお待ちください




